『私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎。人呼んでフーテンの寅と発します』
この「自己紹介」を何度耳にしたことでしょう。
映画「男はつらいよ」は、これまでに49作品が公開されていますが、そのほとんどを観ている私としては、車寅次郎さんは親戚のオジさんのような存在でした。しかし、映画の舞台になっている柴又を一度も訪れたことがなかったのです。なんという不義理でしょう。先日急に思い立ち柴又に向かいました。
京成電鉄金町線の柴又駅の改札を出るとすぐ寅さんの銅像が迎えてくれました。
「私、生まれも育ちも埼玉飯能です。名栗川で産湯をつかい……」というように、
自己紹介をしたくなりました。
駅から帝釈天に続く参道は賑やかな商店街になっていて、草だんご屋さん、食事処、民芸店などが並んでいました。映画で感じたそのままの空気が流れていました。
その店の何処からか、寅さんがひょっこり顔を出してくるような感覚になりました。
そして帝釈天に足を踏み入れると、笠智衆さんが演じた御前様にもお会いできるような気にさえなったのです。
柴又帝釈天は正式名称「経栄山題経寺」という日蓮宗の寺院です。
こちらを訪れた際には、是非とも奥まで御覧になって下さい!壁面彫刻と庭園が実に素晴らしいのです。
後日、柴又訪問に思いを馳せていましたら、「男はつらいよ」の新作が22年ぶりに製作されるというニュースが飛び込んできました。
渥美清さんは他界されてしまいましたが、車寅次郎さんが蘇ってくるそうです。
今頃、柴又では50本目の「男はつらいよ」の撮影が進められているようなんです。
新作でも、あの寅さんの「自己紹介」を聞くことが出来るのかなぁなどと考えながら、「Mako’s話し方サロン」では皆さんに、「自己紹介」に挑戦して頂きました。
突然の自己紹介で皆さん、少し戸惑われていましたが、私から二つの提案をさせていただきました。
一つ目は、自分の名前をきちんと相手に届けるということです。
自分にとっては分かりきっているものだけに、さらっと伝えてしまっているような気がするからです。
そして二つ目は、自分の好きなことを生き生きと伝えるということです。
好きなことは、人柄を示し、それを話している時は自然と笑顔になれるからです。
「自己紹介」は難しいことではなく、自分自身を見つめ直す良い機会だと私は思っています。
寅さんのように相手の心に残る「自己紹介」が出来ると素敵ですね!


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