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  • 執筆者の写真須賀雅子

㊶「コナスノー」

 降ってきました! いいえ、花開きました!

我家のコーヒーの木に純白の可憐な花が咲いたのです。

このコーヒーの木は3年前、夫の定年祝いでハワイ島に家族旅行をした際、コナ空港からお土産として持ち帰ったものです。15cmほどの小さな苗でしたが、すくすくと成長して天井に届く大きさになりました。

 ハワイ島では、このコナコーヒーの木の枝に白い小さな花が咲き並ぶ姿を「コナスノー」と呼ぶそうです。それはまるで枝の上に雪が積もっているように見えるからです。

 コナコーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロに並ぶ世界三大コーヒーのひとつです。

苦味が少なく柔らかな酸味と甘い香りが特徴です。アメリカでコーヒーを生産しているのはハワイ州だけなので、ホワイトハウスの公式晩餐会ではコナコーヒーが供されるそうです。

 私はハワイ旅行中、コナコーヒーがこれだけの地位を確立できたのは、明治元年から始まった日本からの移民の苦労と努力によるものだと知りました。そして帰国後、日系移民たちの思いを伝えたい一心で短編小説を書きました。そのタイトルは「コナスノー」2019年、私の朗読会で聴いて頂きました。

 我家でも「コナスノー」が見たいと心待ちにしていました。

そして昨年、枝の上に蕾らしきものが顔を出しましたが、花開くことなく枯れてしまいました。

ちょうどその頃、新型コロナによって世の中の不安が広がっていたので、コーヒーの木も伸びやかになれなかったのでしょう。

 しかし今年は、蕾の付き方に力が感じられ、昨年のように緑から茶色に枯れることなく、真っ白な蕾として膨らんでいったのです。そして伸びやかに手を広げ、五弁の花が甘い香りと共に姿を現してくれました。コーヒーの木の花が咲いているのは、たった二日間だとハワイ島の方から聞いていましたので、一日に何度もその姿を目に焼き付けました。

 コーヒーの木の花言葉は「一緒に休みましょう」です。

「心穏やかに、ゆったりとした時間を楽しめるのは、もうすぐですよ」

こんなふうに「コナスノー」に励まされているような心持ちになりました。



メッセージ、お待ちしております。

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