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  • 須賀雅子

⑭「新年会は浅草へ」

 私は浅草が大好きです。

雷門をくぐり仲見世通りの活気に包まれ浅草寺にお参りすると、霧がかかっていた心が晴れ渡ってゆくのです。

 老舗の扇屋や甘味屋も魅力的ですが、それ以上に私には行きたい店があります。

「ベル」それは、伝説のストリッパー・浅草駒太夫さんが経営しているスナックです。

 浅草駒太夫さんは、浅草で行われた「須賀雅子の興味津津」という朗読とインタビューのイベントの初回ゲストでした。

 ストリップ劇場に行ったこともない私が、76歳にして現役のストリッパーである駒太夫さんにインタビューするには彼女の事をとことん知らなくてはいけないと思いました。そこで、駒太夫さんの半生を描いた本を入手して読み進めました。

 美空ひばりの歌を愛する少女が、青森から家出してきて東京で波乱万丈な人生を歩んでゆく姿に私は圧倒され、読み終わっても体は固まったまま動けませんでした。

「駒太夫さんは、どうしてこんなに強くしなやかに前に進んで行けたのだろうか?」

 この本を4回読み返すうちに、駒太夫さんと共に人生を歩んできたような錯覚に陥りました。そして不思議なことに、当初の不安は消え去り、早くお客様に駒太夫さんをご紹介したいという気持ちが湧き上がってきたのです。

 イベント当日のお話も実に自然で、会場にいらしたお客様全員が駒太夫さんに魅了されてしまいました。

 その中で一番惹きつけられてしまったのは私の夫のようでした。

イベント後の御礼に伺う時から何故か夫も付き添うようになり、さらに駒太夫さんのご主人のファンにもなってしまったのです。

 駒太夫さんの店「ベル」は、文豪・永井荷風が通った店を受け継いだもので、8人程が座れるカウンターはその頃のままだそうです。

その「ベル」で駒太夫さんを中心に、お客様たちが飲んで喋って歌うのです。

 店で初めて出会っても、駒太夫さんの温かさに包まれて心が和み、壁が取り払われてしまうのです。

 今回の新年会は私の息子も「ベル」のデビューをさせて頂きました。

私も夫も、そして息子も「また行きたいなぁ」と思える店ができたことは実に幸せだと思っています。

 浅草での新年会! 今年も楽しい一年になるような予感です!


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